はじめに
PowerAutomateの承認アクションは、特定の条件に基づいて指定したユーザーに「承認」または「拒否」を選択させることが可能で、承認依頼を受けたユーザーはTeamsやメールで応答し、コメントを記入することができます。
しかし、承認者がコメントを記入せずに応答した場合、依頼者側はコメントが表示されていないだけなのか、そもそもコメントがあったのか、判断が分かりづらくなることがあります。
そこで今回は依頼者へ承認結果を返す時に、承認者のコメントが空白の場合は代わりの文章を表示する方法をご紹介します。
※承認結果をメールで返す想定のフローです
全体像
結果
フローの設定
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「承認」アクションを追加
承認者に「承認」または「拒否」を選択してもらうために必要な内容を設定します。 -
「条件」アクションを追加
分岐設定を行います。結果が「承認」された場合は「はいの場合」フローに進み、拒否された場合は「いいえの場合」フローに進むようにします。
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「はいの場合」の設定
メールアクション(今回は共有メールボックスからメールを送信する (V2)を選択)を追加します。必要な情報を設定し、本文には承認依頼者に通知する内容を入力します。
承認者からのコメントを挿入する箇所に、動的なコンテンツの追加から「回答数 コメント」を選択します。
すると「Apply to each(※ループ処理を行うアクション)」でメールアクションが囲まれます。
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コメント条件式を追加
「回答数 コメント」の後ろにカーソルを置き、動的なコンテンツの追加を選択し、式を入力する画面に切り替えます。
式の入力欄にまずは「もし(if)コメントが空白(empty)の場合”コメントはありません”と表示」の条件式を入力します。
emptyの()の中に「回答数 コメント」動的コンテンツを入れます。しかし選択できるコンテンツ内に回答数コメントは表示されないため、前の手順で追加した「回答数 コメント」から式をコピーして挿入します。
if式のfalseにあたる箇所('コメントはありません'の後ろ)にもコピーした同じ式を挿入します。
if(empty(items('Apply_to_each')?['comments']),'コメントはありません',items('Apply_to_each')?['comments'])
式を挿入すると動的コンテンツと2つ並んだ状態になっているので、最初に追加した「回答数 コメント」を削除します。
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「いいえの場合」の設定
同じように「いいえの場合」のフローにもメールアクションを追加します。
「はいの場合」にある「Apply to each」アクションの三点リーダーから「クリップボードにコピー」を選択します。
「いいえの場合」のアクションの追加から「自分のクリップボード」を選択し、先ほどコピーした「Apply to each」を選択します。
アクションを貼り付けて本文などを「拒否」されたパターンに適した内容に変更します。
- これでフローの設定は完了です。保存してテスト実行を行い、正しく動作するか確認してください。
まとめ
以上が、PowerAutomateを使用して承認者のコメントが空白の場合に代わりの文章を自動的に表示するための手順です。
ちょっとしたことですが承認フローにおいてコメントの抜け漏れを防ぎ、使う人のストレスを軽減できるのではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。